「土葺きってなに?」
こういった疑問を持っている人もいるでしょう。
「土葺き」とは、瓦屋根の工法です。
この記事では、昭和初期に主流だった土葺き屋根について解説していきます。
役割やメリット、なぜ現代では使われなくなったのかもチェックしてみましょう。
瓦の葺き方は、大きく分けて「土葺き」と「引掛け葺き」に分けられます。
「土葺き」とは、瓦の下に土を敷いて葺く工法です。
土葺きの中でも、「ベタ葺き」と「筋葺き」があります。
両者の違いは、のちほど紹介しましょう。
「引掛け葺き」では瓦を引っかけるための瓦桟を屋根下地の上に打ちますが、土葺きでは土のズレを防ぐため土留桟を打ちます。
土葺きは昭和初期までは主流の工法でした。
土葺きでは瓦を固定するために大量の土をのせます。
土の重さによって強風や地震の対策としていました。
屋根を重くすることによって、上下左右の揺れから瓦のズレを防いでいたのです。
土を大量にのせることで重量がかかるため、地震や強風の際に瓦がズレることを防ぎます。
また、大量の土をのせることで断熱効果があります。
屋根が土で覆われていますので太陽光や外気と家屋との遮熱を行ってくれます。
大量の土をのせるため屋根が重くなります。
屋根が重くなると、柱や梁などの構造体もそれに耐えられる強度にする必要があるため、コストがかかります。
土葺き工法には「ベタ葺き」と「筋葺き」があります。
「ベタ葺き」とは、瓦の下の野地板に土を敷き詰める工法です。
下地の調整も兼ねており、瓦を葺いてからの安定性がよく、断熱効果が高いメリットがあります。
一方で、筋葺きよりも土を使う量が多いため、屋根が重くなり構造体が大きくなるデメリットがあるでしょう。
「筋葺き」とは、屋根の「谷」と呼ばれる部分に土を設置する工法です。
ベタ葺きよりも屋根重量が軽くなるメリットがあります。
土葺きが使われなくなった原因は、地震に弱いためです。
1923年に起こった関東大震災の際に土葺きの屋根瓦が落下して多数の被害が出たために、以降は使用を控えるようになりました。
代わりに、関東では「引掛桟工法」が主流になっています。
関西では地震の頻度が少なかったため近年まで土葺きが使われていました。
しかし、1995年の阪神・淡路大震災で多数の被害があったことから土葺きが急速に減りました。
土葺きの代替工法には「引掛桟工法」と「ポリフォーム工法」の2つがあります。
「引掛桟工法」は、現在でも主流になっている工法です。
桟木を下地に留めたあと、瓦を引っ掛けて釘を打つことで固定します。
土葺きよりも軽くできるため構造部材にコストがかからないことが多いです。
「ポリフォーム工法」は、ポリフォームと呼ばれる接着剤で瓦と下地材を固定します。
ポリフォーム工法はハリケーンが多いアメリカで開発された工法です。
瓦が下に落下しないようにするため、地震や台風などの2次被害を軽減できる効果が期待できます。
また、釘を打たない工法でもあるので、釘の周囲からの漏水などを防ぐことが可能です。
土葺き工法は昭和初期頃に主流だった工法です。
現在では引掛桟工法やポリフォーム工法が主流になっていますが、既存の家屋では土葺き工法を使っている場合もあります。
土葺き工法の屋根は、地震の際に瓦が落下して2次被害が起きる危険性があります。
また、経年劣化によって雨に侵食され、土が流れ出すおそれもあるでしょう。
土がなくなれば下地材に雨水が伝わってしまい、室内に雨が侵入してしまいます。
古い土葺き屋根を放置すると雨漏りの被害が考えられるため、早急にリフォームすることをおすすめしています。
屋根の葺き替えについては「屋根の葺き替え事例や費用、メリットやデメリットをチェックしよう!」もご覧ください。
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