化粧スレートってなに?基礎知識やリフォーム方法を紹介!
「化粧スレートってなに?」
「どんな特徴やリフォーム方法がある?」
こういった疑問を持つ人は多いでしょう。
化粧スレートは、一般住宅で多く使われる屋根材のひとつで、セメントを固めてできた薄い板状の素材です。
化粧スレートは、施工できる専門業者が多く、工事費が安いといった特徴があります。
この記事では、化粧スレートの基礎知識やリフォーム方法について具体的に紹介します。
読むと、化粧スレートの基礎知識がわかり、適切なリフォーム方法を選べるでしょう。
化粧スレートの基礎知識
ここでは、化粧スレートの特徴やメリット・デメリットについて説明します。
化粧スレートの特徴
化粧スレート最大の特徴は、施工できる専門業者が多く、工事費が安いことです。
工場で作られた製品を使うため、現地の作業環境や職人の腕に左右されにくいでしょう。
工場で作っているため品質(耐久性や防水性)が安定していることや、施工の容易さから工事費が安くなりやすいです。
化粧スレートのメーカーと種類
種類は、平板、厚型、波型の3つがあります。以下ではそれぞれの特徴を解説します。
平板スレート
現在、戸建て住宅の屋根材として人気の種類です。
平たい形をしており、厚さはだいたい5mmという薄さで軽量なため、耐震性に優れているという特徴があります。
施工できる業者や職人が多く、施工費用が安価です。
また、色やデザインが豊富なので、選ぶ楽しみがあります。
どんな商品なのか気になる人は、「コロニアル」や「カラーベスト」などを検索してみましょう。
厚型スレート
文字通り、厚みがある化粧スレートのことを指します。
形は粘土瓦に似ていますが、より角ばっているのが特徴です。
本物の瓦と比べて軽量で安価ですが、耐久性が低く、定期的なメンテナンスが必要になります。
モニエル瓦、セキスイUかわらという商品もありました。
しかし、耐久性の低さや平板スレートのほうが安いという理由もあり、現在は製造されていません。
波型スレート
波型の形状をした化粧スレートを指します。
主に2003年以前のものには石綿(アスベスト)が含まれ、2004年以降に設置されたものには含まれていません。
主に工場や倉庫の屋根に使われる、耐久性、耐火性に共に優れた屋根材です。
大波、中波、小波といった種類があります。
一番波が高く、幅が広い大波は、耐久性に優れており、価格も高いです。
化粧スレートのメリット
化粧スレートのメリットは下記4つです。
- カラーバリエーションが豊富
- 施工が容易
- 価格が安い
- 瓦より軽いため耐震性が高い
化粧スレートは、市場に出回る商品が多いため、カラーバリエーションが豊富です。
また、施工できる専門業者が多いため、複数社からの見積りや価格交渉がしやすいメリットがあります。
瓦に比べて重量が軽いため、耐震性が向上できるのも化粧スレートの魅力です。
化粧スレートのデメリット
化粧スレートのデメリットは下記2つです。
- 経年劣化しやすく定期的な塗装が必要
- 耐久性や防水性が低い
主なデメリットは、経年劣化に伴って耐久性や防水性が低下しやすいことです。
そのため、定期的に塗装メンテナンスが必要になります。
化粧スレートのメンテナンスが必要になる症状
化粧スレートのメンテナンスが必要になる劣化症状を紹介します。
症状の種類やその度合いを参考に、塗装や葺き替えなどリフォーム方法を検討しましょう。
ひび・欠け
化粧スレートのひびや欠けは、工事中の踏み割れが原因と言われています。
踏み割れとは、施工や塗装の最中に、業者や職人が踏むことで起こります。
目で見てすぐにわかるものはその場で補修できますが、目で見るだけではわかりづらいことが多いです。
見つけた場合はコーキングで部分補修が可能です。
ひびや欠けがひどいケースは、カバー工法や葺き替え工事をする必要があります。
色あせ
化粧スレートもほかの屋根材と同じく、表面の塗膜の劣化が理由で色あせることがあります。
耐久性や防水性が低くなっているので、放っておくとほかの劣化症状につながる可能性も出てきます。
屋根材が変色し始めたり、塗料の耐用年数が寿命を迎えたりする場合は、塗装で補修する必要があります。
反り
化粧スレートの反りは、スレートに水分が侵入したり、温度変化の影響を受けたりして起こります。
そのままにすると、強風で化粧スレートが押し上げられたり、雨漏りや屋根下地の劣化などを招いたりする恐れがあります。
反りやそのほかの劣化症状がひどくない場合は、塗装や部分的にスレートを交換することで対応が可能です。
もし症状が広範囲に出ていたり、反って割れたりしていれば、カバー工法や葺き替え工事を行いましょう。
コケ・カビ
化粧スレートや塗膜の経年劣化の影響で水捌けが悪くなると、コケやカビが生えやすくなります。
そのままにすると化粧スレートが脆くなるため、高圧洗浄やバイオ洗浄などをしてコケやカビを取り除きましょう。
その後、よく乾かしてから再塗装してみてください。
化粧スレートのリフォーム方法
化粧スレートのリフォーム方法を3つ紹介します。
1.塗装
2.カバー工法
3.葺き替え
詳しくチェックしていきましょう。
塗装
最も安いリフォーム方法であり、既存化粧スレートの状態が良ければ施工可能です。
塗装の周期は10~15年程度を目安とし、状態を見ながら時期を検討すると良いでしょう。
適切な時期に行うことで、既存の化粧スレートを長く使うことができます。
30坪の住宅の化粧スレートを塗装する場合は、塗料にもよりますが、20〜80万円の費用を要します。カバー工法
カバー工法とは、既存の化粧スレートを撤去せず、上から新たに屋根材を葺く工法です。
既存化粧プレートの劣化が著しいと塗装リフォームができない場合があります。
塗装リフォームができない場合はカバー工法が一般的です。
撤去工事がないため、工期が短くて費用が安くなる点も魅力でしょう。
ただし、屋根下地の木材が腐食しているとカバー工法ができないため、下地の腐食が進行する前にリフォームを検討しましょう。
屋根の広さや地域などによって変わりますが、カバー工法の価格相場は80〜180万円です。
葺き替え
すでにカバー工法を行っていたり屋根下地の劣化状態に不安があったりする場合は葺き替えをおすすめします。
カバー工法より工事費は高いですが、既存の化粧スレートを撤去して下地の状態を確認できるメリットがあります。
また、既存化粧スレートを撤去するため、屋根自体を軽量化して耐震性を向上できます。
化粧スレートを葺き替えする場合の価格相場は、90〜200万円です。
化粧スレートの塗装・補修のリフォームの施工事例
実際に化粧スレートを塗装、補修したリフォーム工事の事例を紹介します。
これからリフォームを考えている人は、ぜひ参考にしてください。
日置市の化粧スレートを補修工事した事例
・築年数40年程度
・施工期間1日
・使用材料 スレート・改質アスファルトルーフィング
日置市伊集院町にて、雨漏りをしたスレート屋根の補修工事です。
屋根裏、そして下地にまで雨が染み込み腐食していたため、スレート全体に欠けや色あせが起こっていました。
よって、工事内容は全体的な葺き替え工事を選択しました。
防水シートを交換し、腐食が見られた棟板金(屋根の頂点にある板金)も撤去し、内部に水が侵入しないように補修しました。
鹿児島県柴原で化粧スレートを人気色で塗装した事例
化粧スレートを塗装で補修した事例です。
カビやコケなどを高圧洗浄で落とし、乾かしてから、塗装を行いました。
カラーは、「スレートブラック」の次によく使われる「ココナッツブラウン」です。
「エスケープレミアムルーフ」という、紫外線を抑制してくれる耐久性の高いシリコン系塗料なので、見た目だけではなく機能性も期待できます。
化粧スレートの安さを活かして屋根リフォームの工法を選ぼう
化粧スレートは、セメントを固めてできた薄い板状の屋根材で、一般住宅で主流の材料です。
工場でつくった屋根材を現場で葺くため、職人の腕に左右されにくく施工が容易です。
施工できる専門業者が多いため、複数社からの見積りや価格交渉しやすいため工事費が安くできるでしょう。
一方で、経年劣化で耐久性や防水性が低下しやすいため、定期的な塗装メンテナンスが必要です。
化粧スレートのリフォーム方法には、塗装やカバー工法、葺き替えの3種類がありますが、現在の屋根の状態をチェックして適切な工法を選ぶと良いでしょう。
「スレート屋根のメンテナンスやリフォーム価格を細かく解説!安くするコツも紹介」の記事ではスレート工事の費用を詳しく解説しているのでこちらも確認してみてください。