「野地板の材質や補修方法について詳しく知っておきたい」
「野地板の補修にはいくらかかるのか知りたい」
屋根のメンテナンスを考えた際、このようにお悩みの方も多くいらっしゃることでしょう。
野地板は屋根の下地であり、構造上とても大切な部分になります。
この記事では、以下の情報について詳しく解説していきます。
・野地板とは
・野地板の材質
・野地板の耐用年数
・野地板の補修方法
・野地板の補修にかかる費用相場
野地板の基礎情報を知っておくことで、屋根のメンテナンスの失敗を避けられるでしょう。
野地板とは、屋根の「垂木」の上に張る薄い板のことです。
垂木とは屋根の骨格となる部分で、野地板などの屋根材を支える木材です。
垂木の上に張る野地板は、屋根の下地となります。
屋根の構造は、一般的に以下の順につくられます。
ルーフィングとは、屋根からの雨漏りを防ぐための防水シートです。
このように、野地板は防水シートや屋根材を支える下地として重要な役割を持っています。
野地板の材質には、以下の3つの種類があります。
・杉板の野地板
・野地合板
・耐火野地合板
それぞれの材質について、特徴やメリット・デメリットを解説していきます。
杉板の野地板は「バラ板」とも呼ばれ、9~12ミリほどの薄さの杉の板材です。
これまで木造家屋では、野地板には主に杉板を使用していました。
木材の中でも杉は乾燥しやすく、防水機能に優れていたためです。
しかし、現在は強度や耐火に優れた野地板が開発され、杉板の使用は減ってきました。
メリット
耐久性が高い
乾燥しやすい
デメリット
収縮しやすく隙間ができやすい
野地合板とは、「合板」が材質の野地板のことです。
合板とは薄い板材を何層かで重ね合わせ、圧縮した板です。
ベニヤ板とも呼ばれます。
薄い板材を重ねているため、強度が高く防水機能もあります。
現在の住宅の野地板には、野地合板の使用が主流です。
ただし、野地合板を使用する際には、合板の接着剤から放出される有毒物質「ホルムアルデヒド」が少ない製品を選びましょう。
メリット
強度が高い
デメリット
シックハウス症候群の恐れがある
耐火野地合板とは、火に強い野地板で耐火機能があります。
また、準防火地域や防火地域では野地板に耐火野地合板の使用が義務づけられています。
住宅を建てたり屋根のメンテナンスをしたりする際には、お住まいの地域が防火地域などに該当しないかを確認しておきましょう。
メリット
火に強い
デメリット
費用が高くなる
また、耐火野地合板には以下の2種類があります。
・木毛セメント板
・木片セメント板
それぞれの種類について、どのような特徴があるのか解説します。
木毛セメント板とは、木材をリボン状に削ってセメントと混ぜ、圧縮してつくられる板材のことです。
燃えにくいだけでなく、耐熱性や吸音性もあります。
また軽いため加工しやすいのもメリットの一つです。
木片セメント板は、小さな木片とセメントを混ぜ、圧縮させてつくられる板材のことです。
木毛セメント板より重さがありますが、同じく耐熱性・吸音性に優れています。
野地板の耐用年数は、20~30年ほどです。
ただし、野地板の材質や、住宅がある地域の気候によって耐用年数は異なります。
また、野地板は耐用年数以内であっても雨漏りや板の腐敗が起きることがあります。
その際は耐用年数に関わらず早めに補修するようにしましょう。
野地板の補修方法には、以下の2つの方法があります。
・増し張り
・張り替え
それぞれの補修方法について、具体的にどのように補修するか解説していきます。
野地板の増し張りとは、既存の野地板に新しい野地板を重ね張りして強化する方法です。
既存の野地板の状態が良ければ増し張りでメンテナンスできるため、工事費用が安く抑えられます。
野地板の張り替えとは、既存の野地板を撤去して新しい野地板に張り替える方法です。
既存の野地板が腐敗している場合には、増し張りによる補強ではなく張り替えをします。
また、耐用年数を越えている野地板も張り替えを行っておくと安心です。
30坪の住宅の野地板の張り替えにかかる費用相場は、およそ20~30万円です。
30坪の住宅の屋根面積を60平方メートルとして計算しています。
野地板の張り替えにかかる費用は、1平方メートルあたり3,000~4,000円です。
また、野地板の増し張りにかかる費用は1平方メートルあたり1,500~3,000円です。
張り替えは古い野地板の撤去作業などが必要なため、費用が高くなります。
野地板張り替えの工事費用の内訳を、わかりやすく一覧表にしました。
工事内容 | 費用(1平方メートルあたり) |
野地板の張り替え | 3,000~4,000円 |
足場の設置 | 1,120円 |
工事費用は、工事内容や業者によって異なるため、見積もりを依頼する際には内訳をきちんと確認しておきましょう。
野地板は屋根の下地であり、住宅にとって大切な部分です。
また、劣化症状が軽いうちにメンテナンスを行うことで、耐用年数を延ばすことができ工事費用も安く抑えられます。
そのため、野地板は定期的なメンテナンスや補修を行い、しっかりとケアしていきましょう。
屋根メンテナンスをする時期を見分けるには「屋根のメンテナンス時期の見分け方と必要な費用相場を専門家が解説」も確認してみましょう。
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