古い瓦は再利用するべき?処分するべき?使いみちを紹介
「古い瓦にはどんな使い道があるの?」
「古い瓦は再利用するのと処分するのはどっちが経済的?」
「古い瓦の再利用」と聞くと多くの疑問が湧いてくると思います。
リフォームを考えていて、悩まれている方もいるのではないでしょうか?
この記事では、経験豊富な建設会社の元社員が、リフォーム時に出てくる「古い瓦の再利用」の疑問を、細部まで解説していきます。
「古い瓦の再利用」について理解して、リフォーム時に損をしないようにしていきましょう。
古い瓦の処理にかかる費用
古い瓦を処理するにも費用がかかります。
単価相場は、1,500〜3,000円/平方メートルが目安です。
葺き替え工事(屋根材を新しいものにする工事)をする際には、屋根の施工業者や産業廃棄物処理業者に依頼するのですが、それぞれの業者で古い瓦の処分料金や処分できる瓦の種類、回収費用(運搬費)などが変わり、料金も変動します。
特に古い瓦に興味がない、活用の手立ても思いつかない場合は、費用をかけて回収してもらうのが一番です。
しかし、瓦は家の敷地内で再利用もできるため、ガーデニングやDIYが好きな人は、再利用してみるのもいいでしょう。
瓦の再利用の方法について、以下で解説していきます。
古い瓦を再利用する方法
屋根のリフォームで出る古い瓦の使い道は、5通りあります。
・古い瓦を屋根の葺き直しに使う
・古い瓦をガーデニングの外構に使う
・瓦チップに変えて庭に使う
・瓦チップに変えて家のまわりの景観に使う
・リサイクルで新たな材料に変える
それぞれの使い道について説明していきます。
古い瓦を屋根の葺き直しに使う
一度、古い瓦を剥がして屋根の下地(防水シートなど)を補修してから、葺き直しをする方法です。
瓦は耐久年数が約60年と非常に長いからこそ可能になる方法と言えます。
一見すると、古い瓦を屋根の葺き直しに使うのは経済的なように思えます。
しかし、屋根の葺き直しに多くの人件費が必要になるため、おすすめできません。
古い瓦をガーデニングの外構にする
外構とは内と外を分ける境界のことで、柵や門、垣根のことを指します。
ガーデニングの外構は、盛った土と庭の境目部分です。
通常であればブロックやレンガを使うことが多いですが、瓦は形や色に特徴があるので、よりおしゃれな見た目に変身します。
瓦チップに変えて庭に使う
古い瓦を粉砕機にかけて作った瓦チップを、庭に敷く方法です。
瓦チップを庭に敷くのは、水捌けが良かったり防草効果があったりと多くのメリットがあります。
経済的にも、処分費や新しい砂利代が掛からないため優れています。
庭を作る予定がある場合は、ぜひ検討してみてください。
瓦チップに変えて家まわりの景観に使う
砂利や芝で対応することが多いコンクリート同士の溝や、木や植物の被覆材として使われることが多いです。
特に赤の瓦チップは鮮やかで、庭や家のまわりの外構に使うとおしゃれな雰囲気になります。
また、先ほど説明した通り、水はけや防草効果も見込めるので、使い勝手がいいアイテムです。
リサイクルで新たな材料に変える
瓦チップはもちろん、道路の砕石にするケースもあります。
自分たちの瓦もリサイクルしてもらえるか気になる方は、施工業者に聞いてみましょう。
瓦チップは手作りできる?
粉砕器を持っている人は少ないので、ハンマーやランマー(締固め機)で粉砕しますが、砕いただけの瓦は、先が尖りすぎて使いづらい場合が多くあります。
また、大量の瓦を砕くのには時間と労力がかかるので、やはり業者に任せるのがいいでしょう。
瓦を再利用するのと処分するのはどっちが経済的?
庭を作る予定がある場合は、瓦チップに変えて庭に敷くと非常に経済的です。
ちなみに、庭を作る予定が無い場合は、処分した方が無難でしょう。
では、「古い瓦で屋根を葺き直し」するのがおすすめできない理由を説明していきましょう。
瓦で屋根を葺き直しする場合
新しい瓦を購入して葺き直すことをおすすめします。
古い瓦で屋根を葺き直しするメリットはほとんどありません。
逆に、デメリットは以下の2点が挙げられます。
・ 使われている瓦が手に入らない場合がある
・ 人件費が高額になるためコストパフォーマンスが悪い
では、デメリットを1つずつ解説していきましょう。
屋根に使われている瓦が手に入らない場合がある
欠けや割れで屋根に使われている瓦と同じ商品が必要になっても、手に入らないことがあります。
なぜなら、屋根のリフォームをする時はほとんどの場合、新築時から15〜20年経過しているからです。
15〜20年の間に新築時に屋根に使われた瓦が、販売中止になってしまうことは珍しくありません。
人件費が高額になるためコストパフォーマンスが悪い
古い瓦で屋根を葺き直しする場合は、作業する工程が同じなので、人件費は新しい瓦に葺き替えるのと同じだけかかります。
新しい瓦を購入する費用だけで、新しく葺き替えられることを考えると、コストパフォーマンスが悪いと言えます。
瓦屋根の葺き直しの費用相場
葺き直しには1平方メートルあたり3,000〜18,000円かかり、総額の相場では100〜250万円とされています。
お気に入りの瓦の場合は、なるべく葺き直しで再利用したいという人もいるかもしれません。
しかし、葺き直しでもある程度の費用がかかりますし、瓦屋根にも耐用年数があるので、業者に依頼するタイミングで新しい屋根材に葺き替えておくのが安心です。
他の屋根材で拭き直す場合
他の屋根材で葺き直す際は、「処分」か「瓦チップとして使う」かの2択になります。
最近では、ガルバニウム鋼板(人気の金属屋根)のように安くて高性能な屋根材が開発されています。
屋根のリフォームを機に安くて高性能な屋根材に変える人も少なくありません。
瓦屋根の葺き替えの費用相場
葺き替え工事費用の総額は70〜290万円です。
屋根材をすべて新しくするため、葺き直しよりも費用がかかるケースが多いです。
ただし、先に紹介したガルバリウム鋼板なら60〜200万円なので、比較的安価に施工できます。
瓦屋根の工事を安くする方法
そんな人にぜひ活用して欲しい、瓦屋根の工事を安くする方法を紹介します。
地方自治体の補助金・助成金を使う
自治体ごとに申請要件や方法、時期、金額などが異なりますので、お住まいの地域については各自で調べてみてください。
火災保険を使う
風災によって瓦が破損したら、速やかに申請書類を手に入れ、業者に依頼、被害にあった箇所の写真、見積書を用意してもらい申請します。
加入している保険の補償内容によっては支払われないケースがあるので、自分の保険はどうなっているのか一度確認してみてください。
まとめ:古い瓦を屋根の葺き直しに使うのはおすすめできません!
古い瓦を屋根の葺き直しに使うことはおすすめできません。
よほど、今の家の屋根に思い入れがある人以外は避けた方が無難と言えます。
逆に、おすすめなのは、古い瓦を粉砕機にかけて作った瓦チップを庭に敷くことです。
古い瓦の処分費や新しい砂利代が掛からないため、非常に経済的です。
屋根のリフォームをする際は、庭を作ることも検討してみてください。
瓦以外の屋根材については「屋根材の種類や費用、耐用年数、あなたに適した材料の選びかたを解説!」もチェックしてみましょう。